【鬼滅】半天狗の声優って?超有名三枚目キャラの声の人?

刀鍛冶の里編では、上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)と伍・玉壺(ぎょっこ)が里に襲来し大パニックになります。

しかし、半天狗は最初登場した時「なぜこの情けない鬼が上弦なの?」と思えるほどメソメソして強さのかけらも感じないキャラとして現れましたが、まさかの分身が現れ、炭治郎や禰豆子、玄弥を苦しめます。

鬼滅の中でも半天狗を演じる声優さんは、その特異なキャラクターゆえに、高い演技力が必要な役どころだと思います。

そんな強さと性格が相反した本体である半天狗を演じるのは、『うる星やつら』の諸星あたる、『北斗の拳』のシン、『ドラゴンボール』のピッコロなど、有名どころを演じた声優界の重鎮です。

そんな半天狗を演じる声優さんにフォーカスし、鬼滅を考察したいと思います。

鬼滅の半天狗の声優は、重鎮古川登志夫さん!迫力満点、分裂鬼の喜怒哀楽との競演も魅力!?

謎めいたキャラクター半天狗を演じる声優は古川登志夫さんです。

二枚目から三枚目まで演じ分ける古川さんが演じる半天狗の凄み

個人的には諸星あたるの軟派ぶりと、ニヒルな二枚目で冷酷なシンとのギャップが大きすぎて、とても同じ声優さんとは思えないのですが、刀鍛冶の里編でも、泣きながら不用意に登場しあっさり首を斬られた時には、ずっこけかけた人もいたのではないでしょうか?

上弦の肆でありながら一見隙だらけで、適度にディフォルメされた裏声はいつもビクビクしている半天狗のキャラクターを、リアルでユーモラスに表現していて、「これが何で上弦なんだよ!」と視聴者がツッコミを入れたくなる異化効果のようなものが感じ取れて、気づかないうちに前のめりになった矢先、斬られた半天狗の身体は、手強い四体の鬼に分裂し、炭治郎や禰豆子、不死川玄弥を追い詰めるのです。

半天狗の分裂体には主役級の実力派声優がずらり!

分裂した鬼は一人一人違う声優さんがつとめており、積怒(せきど)役は梅原裕一郎さん、可楽(からく)役は石川界人さん、空喜(うろぎ)役を武内駿輔さん、哀絶(あいぜつ)役は斉藤壮馬さんが演じておられます。

「豪華すぎる!」「全員主役級!」「古川さんが演じ分けすると思ってたから驚いた!」など、次々と豪華声優が登場するキャスティングに驚きと喜びの声があがっています。

半天狗分裂体役名 声優名 代表作と役名
積怒(せきど) 梅原裕一郎 『ヤングブラック・ジャック』の間黒男役、『ゴブリンスレイヤー』ゴブリンスレイヤー役、『僕のヒーローアカデミア』シデロ役
可楽(からく) 石川界人 『ハイキュー!!』影山飛雄役、『僕のヒーローアカデミア』の飯田天哉役、『カッコウの許嫁』の海野凪役
空喜(うろぎ) 武内駿輔 『アイドルマスター シンデレラガールズ』のプロデューサー役や『KING OF PRISM』の大和アレクサンダー役
哀絶(あいぜつ) 斉藤壮馬 『ブルーロック』千切豹馬役、『ハイキュー!!』山口忠役、『るろうに剣心』緋村剣心役、『アイドリッシュセブン』九条天役

古川さんの半天狗の秀逸な役作りに脱帽

しかも、激しい戦闘の中、本体である半天狗はいつも裏声で「ヒィ〜っ!」と悲鳴を上げながら玄弥や炭治郎から逃げ回る様子からは、人生の機微を感じさせつつ、間抜けでユーモラスでありながら視聴者に緊張感を途絶えさせないところは、古川さんの声優としての技量が光る秀逸な役作りでした。

さらに、次回への展開が期待されますね

鬼滅を盛り上げる半天狗の声優、古川登志夫さんの兄弟は十五人!?

分裂した鬼の本体である半天狗を演じている古川登志夫さんの誕生日は一九四六年七月十六日に栃木県の農家の十五人兄弟の末っ子として生まれたそうです。

長男が太平洋戦争当時フィリピン沖で重巡洋艦鳥海の沈没の際、鑑と運命を共にし、二十二歳で没していたことから、長男の生まれ変わりとして大切に育てられました。

十五人兄弟って、今では大家族をテーマにしたシリーズ番組ができちゃうレベルの子沢山家庭ですが、当時としてもかなり多い方だと思います。

きっと栃木の豊かなお家だったのでしょうね。

小学生の時に児童劇団に入団し、舞台俳優を志す演劇青年

十二歳で東京の劇団日本児童に入団し、演劇活動を始めたそうですが、栃木から通うのは何かと大変だったようで、一年ほど経ったら東京のお兄さんの元に転がり込んだそうです。

兄弟が多いとこういう時に助けられますよね。

高校時代は演劇部に所属されていて、先輩に誘われ、劇団手織座の公演で新劇のバイブルともいうべきロシア演劇の名作ゴーリキーの『どん底』を観て衝撃を受け、「何としても俳優になるぞ」と心に誓ったそうです。

その後地元栃木で銀行員になるよう勧める父の反対を押し切って日本大学芸術学部演劇科に進学し、殺陣同志会に籍をおいておられ、自身のプロフィールにも特技の欄に殺陣と書かれています。

ちょうど学生運動全盛期で、卒業公演前に校舎に入ることができず、そのまま大学は中退して、中田浩二氏が代表を務め、武蔵野市吉祥寺を拠点にしている劇団櫂(KAI)に入団、中田氏の洋画の吹き替え現場に連れて行かれた時に、ディレクターなどを紹介されたそうで、後に劇団櫂に入っていなかったら声優になっていなかっただろうと回想しているそうです。

鬼滅、哭きの半天狗の声優さんって、普段と役とのギャップがすごい!?

永井一郎さんの勧めもあり、青二プロに移籍して、プロの声優になった古川さんですが、宇宙戦艦ヤマトの古代進で有名な富山敬さんに対する想いは強く、

 

古川「ヤマトの頃から富山敬さんに憧れ、この方のような軽妙な演技ができるようになりたい一心で、演技は元より、シャツからセーターからブルゾンから眼鏡までなんでも真似した」

 

というくらい、冨山さんに心酔しておられたそうです。

古川さんの代表作について考察していきましょう。

『うる星やつら』の諸星あたる役について

自身は女性と話すのは苦手意識がおありだそうで、とても真面目な性格としても有名な古川さん。

可愛い女性を見れば誰彼構わず口説にかかる諸星あたるのキャラとは正反対ですね。

そんな古川さんが初めて三枚目キャラを演じたのはこの諸星あたる役だそうで、普段お会いした人からよく「本当にあの役(諸星あたる)をやってた古川さんですか?」と尋ねられるそうです。

自分の個性から距離の遠い役を演じるのに、「いかにして距離を埋めるか」が重要になってくるのですが、そういう言われ方をする古川さんは、まさに「自分から距離の遠い役」を演じてブレイクされたということからしても、相当実力がある声優さんだと言っていいと思います。

『北斗の拳』シン役について

『北斗の拳』のシンといえば、主人公ケンシロウの宿敵、愛するユリアを連れ去り、胸の七つの傷をつけた張本人で、南斗六聖拳の男であり、南斗孤鷲拳の伝承者で「殉星」の男です。

ちなみにケンシロウを演じる神谷明さんと古川さんは同じ一九四六年生まれで、事務所も同じだったこともあるライバル関係。

『北斗の拳』や『シティーハンター』で主役競争では神谷さんが勝ち取っているので、「神谷さんに勝つのが夢」だと語ったこともあるとか。

そういう人間模様を知って『北斗の拳』を見直してみると、アニメに違った魅力が芽生えてきますよね。

ちなみに一九八九年公開の『劇場版ドラゴンボールZ』では、古川さんは神谷さんを抑えて「ピッコロ」の役を勝ち取り演じています。

ドラゴンボールでは古川さんが勝利したって感じですね。

ちなみに、「古川さんのライバルといえば神谷さんだ!」という監督さんのひらめきから、神谷さんが敵キャラクターのガーリックJr.役に抜選されたというエピソードも!

プロレスでもリングの外でのエピソードは「アングル」と言って、試合を盛り上げる要素になるのですが、古川さんと神谷さんのように、実力のあるライバル声優同士の思いやドラマが反映された作品というのは見応えもまた一入(ひとしお)ですね。

声優で作った伝説のバンド「スラップスティック」のメンバー

新劇劇団で役者修行を積んだ古川さんですが、音楽活動にも積極的に取り組み、一九七八年に古谷徹さんら声優仲間とともに「スラップスティック」というバンドを結成し、数々の歌番組で歌を披露し、一九八六年まで活動したそうです。

劇団青杜の代表として作・演出を担当

一九八〇年から二〇〇三年まで「テーマ主義に立脚したオリジナル作品の上演」という理想を掲げて劇団青杜(げきだんせいとう)を創立され、代表として作・演出を担当しました。

バンドと劇団、声優の三足のわらじをはいての活動をこなすなんて、すごいマルチですよね。

劇団の解散後も劇作活動を続けているそうです。

歩く睡眠不足の異名

古谷さんはいつでもどこでも、どんな体勢でも居眠りができるという特技を持っていたそうで、山手線の中で居眠りをして一周してしまうこともしばしばだったそうです。

声優の現場でも録音中に眠ってしまって台本を落とし、その音でNGを出したこともあるとか。

またバンド練習中も、ギターの音が消えたと思ってメンバーが後ろを振り向いたらギターを抱いたまま眠っていた………なんてエピソードもあり、仲間からは「歩く睡眠不足」と呼ばれていたと言います。

というのも、寝る間も惜しんで劇団の公演のための脚本の執筆活動を続けていたそうなのです。

真面目な古川さんのことなので、どの活動も一生懸命されていたと思うのですが、三足のわらじは古川さんに限らず、さすがにキャパオーバーになるのも無理もありません。

私の周りにも昭和の終戦後から高度経済成長、そしてバブル時代と、日本の大変な時代を生き抜いてきた人はものすごい仕事量をこなしてきた方も多いですが、こんなにマルチに表現活動に取り組まれた方も珍しいのではないでしょうか。

よく体を壊さず何年も続けられたなと、それだけでも尊敬します。

【鬼滅】半天狗の声優についてのまとめ

錚々(そうそう)たる経歴を持った実力派の声優さんが脇を固めているのも、鬼滅の刃の魅力だと思います。

年齢を感じさせない艶のある声といい、生き様といい、古川さんのプロとしての姿勢には脱帽させられます。

そんな古川さんは、富山敬さんや永井一郎さんという、昭和を代表する声優さんの魂を受け継いでいらっしゃるので、そんな古川さんの活躍を期待するとともに、古川さんから若い声優さんが多くのことを学び取って、次の世代に魂を受け継いで行っていただきたいですよね。

そういう意味でも半天狗の古川さんと、分裂体である四人の声優さんの今後のますますの活躍から目が離せません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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