【鬼滅】カナヲの苗字に秘められた1300年前の恋物語!

鬼滅の登場人物の中でも珍しい名前や読みにくい名前が多いですが、「栗花落カナヲ(つゆりかなを)」の苗字については、一般的に馴染みが薄く難読ですよね。

鬼滅を愛読している人は別として、カナヲの苗字を見ただけではほとんどの方が読めないと思います。

しかしこの苗字「梅雨入り」が転じて「つゆり」と呼ばれるようになったそうなのですが………

元を辿れば奈良時代まで遡るあっと驚く恋物語が今に伝わっていました。

炭治郎の同期で鬼滅の登場人物の中でも大人気のカナヲの苗字について考察してみたいと思います。

【鬼滅】カナヲは苗字はおろか名前すらなかった?

まずはカナヲのプロフィールは以下の通りです。

胡蝶カナエ&しのぶ姉妹と出会った時は人買いに縄で縛られた状態だったカナヲ。

姉のカナエの強い要望で強引に蝶屋敷に連れ帰るのですが、言葉もほとんど話せず、意志薄弱な子供でした。

だから彼女の素性についての詳しいことは分かりません。

プロフィール

本 名:栗花落カナヲ(つゆりかなを)

出身地:東京府本所区(現在の墨田区)

年 齢:16歳

誕生日:不明(胡蝶カナエ、しのぶと出会った5月19日を誕生日と定める)

身長体重:156センチ46キロ

【鬼滅】カナヲには私の苗字を名乗らせたい!(byアオイ)

カナヲが蝶屋敷に来た時には苗字も名前ありませんでした。

なので、苗字には何がいいのかカナヲに選ばせようということになり、以下の候補が上がりました。

・胡蝶

・神崎

・久世

・本宮

・栗花落

姉妹が欲しかったアオイは、ここぞとばかりに自らの苗字である神崎を猛アピールしたのですが………。

その時の様子は単行本19巻162話手前に描かれております。

カナヲの誕生日は5月19日となってますが、実際の誕生日は不明のはずです。

おそらくカナエとしのぶに出会った日なのかなと思います。

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【鬼滅】カナヲの苗字「栗花落」は実在する?現在たったの六十人?

カナヲは胡蝶しのぶの嗣子(つぐこ)であり、実際とても人気のあるキャラクターですが………「栗花落」を初見で「つゆり」と読める人は少ないでしょう。

しかし、栗花落はれっきとした実在の苗字で、「梅雨入りする頃に栗の花は落ちる」ことから「つゆり(梅雨入り)」の読み方はきてるとか。実際苗字検索サイトで調べてみると

【苗字】栗花落

【読み】つゆ,つゆり,つゆいり,つゆおち

【全国順位】 42,310位
【全国人数】 およそ60人

と、大変珍しいことがわかります。

【鬼滅】カナヲの苗字「栗花落」の始まりは奈良時代?

この栗花落という難読苗字、いろいろ調べてみますとその由緒は古く、奈良時代までさかのぼるということがわかりました。

ここからは少し鬼滅を離れて、なぜ栗花落の名前の誕生秘話の話。

天皇から贈られた「栗花落」の裏に身分違いの恋?

ある地方役人が身分違いの貴族の娘に一目惚れし、立場もわきまえずに歌を送って見事意中の姫と結婚できた………というお話が伝わっているのです。

時の天皇もそのことを喜び、天皇から送られた苗字が「栗花落」だというのです。

今から1300年前、第四十七代淳仁天皇(じゅんにんてんのう)に仕えていた山田左衛門尉真勝(やまださえもんのじょうまさかつ)という役人がいました。

貴族の娘に惚れた田舎役人の猛プッシュ

現在の神戸市北区山田町原野は山田村と呼ばれていたそうで、その村から奈良の都に出張に来ていた真勝は、右大臣藤原豊成の娘の白滝姫に一目惚れの恋をします。

右大臣と言えば天皇の側近左大臣の補佐を務める高〜いご身分、ど田舎の一役人からは高嶺の花すぎて普通は諦めます。

しかし、人一倍のガッツがあった真勝は、驚きの行動に出ました。

恋歌を送る田舎役人と白滝姫のやりとり

なんと真勝は身分を顧みず、恋の歌を白滝姫に送ったのです。

山田  〽︎水無月の 稲葉の露も こがるるに 雲井に落ちぬ 白糸の滝

(六月実ってきた稲の露も待ち焦がれている、雲の間から白糸の滝の如く降る雨のように、私の元に落ちてきておくれ)

白滝姫 〽︎雲だにも かからぬ峰の 白滝を さのみな恋そ 山田男よ

(雲さえかからないほど高い峰の白滝に、誰が恋心など寄せたりしましょうか?頭を冷やしなさいな、山田のお兄さん)

山田  〽︎水無月の 稲葉の末も こがるるに 山田に落ちよ 白糸の滝

(六月も終わりに近づいても、あなたに焦がれる心は変わりません。どうか白滝さん、都から山田村にお嫁にいらしてくださいな)

白滝姫の返歌は真勝の勇み足を諌めつつ、高貴さを漂わせるものでしたね。

自らの身分の高さを堂々と主張しつつ、田舎者の鼻っ柱をへし折るストレートな表現も魅力です。

普通の男はここで諦めるところでしょうが、しかし、真勝はよっぽど根性があったのか、もしくは空気が読めなかったのでしょう。

あきらめず、さらに強い口調で強引に結婚を迫ります。

しつこさの上に図々しさがブレンドされた歌に、白滝姫はドン引きだったかもしれませんね。

姫の父君が気持ちのこもった歌にほだされた?

でも何故か父親の右大臣藤原豊成が、歌に込められた山田の思いに感銘を受け

 

藤原「これこそ真実の愛じゃ!」

 

とほだされてしまいました。

この歌による攻防は淳仁天皇のお耳に入ります。

山田は天皇のお気に入りだったのでしょうか。

身分を超えて白滝姫を山田真勝に与えることを天皇は承諾し、まさかの身分違いの恋が成就してしまったのだとか………。

淳仁天皇の抜群のネーミングセンス!

淳仁天皇はお祝いの意味も兼ねて「栗花落」と書いて「つゆり(梅雨入り)」と読ませる新しい苗字を真勝に与えたそうです。

これは真勝の送った和歌の内容を汲んで送られたのでしょう。

恋焦がれた白滝姫を妻に迎えたばかりでなく、天皇から新しい苗字を賜(たまわ)るなんて………この時の真勝の喜びたるや、いかばかりでしたでしょうか?

ちなみに栗の花は今も五月の季語として俳句でもよく使われ、「堕栗花(つゆり)」と書く場合もあるそうです。

白滝姫のその後と現存する「栗花落の井戸」

白滝姫は渋々山田の元に嫁ぎ、男の子をもうけたそうです。

そのまま幸せに暮らせたらよかったのですが、あいにくそうは行かず、日に日に白滝の都への思いが募り、いつしか病にかかって亡くなってしまったのだそうです。

この時の真勝の悲しみはいかばかりだったでしょうか。

彼は白雪姫を自宅近くに手厚く埋葬しました。

すると、不思議なことに姫が埋められた側から水が湧き出し、井戸になったそうです。

そしてその井戸は毎年梅雨の時期だけ水をたたえるようになったとか。

その井戸は「栗花落の井戸」と呼ばれ、神戸市北区山田町原野に現存し、梅雨の時期だけ水が湧き出すそうです。

神戸に行かれた時は、ぜひ訪ねてみては?

【鬼滅】カナヲの苗字に秘められた1300年前の恋物語!まとめ

というわけで今回は栗花落カナヲの苗字や名前について考察してきました。

胡蝶カナエの強い希望で蝶屋敷に連れてこられたカナヲですが、その名前は、カナエのエがヲに変化したということが想像できます。

ネットではいつも無表情のカナヲの「笑顔」が見たかったカナエ希望もあって「エがヲ」になったのかもしれない………という考察をしている方が何人かいたので、きっとそれが一番美しい解釈かなと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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